カラマーゾフの兄弟

こないだ新訳カラマーゾフの兄弟読み終えました。全5巻。
宗教のことも分かんないし、世界史の知識も全くないしで、思想的なところで私などが書評するのはおこがましいと思いますので、そのあたりは山ほどあふれる巷の書評にまかせたいと思います……=よく分からんとも言うw
表面上のストーリーは昼ドラっぽい感もあり、想像してたより読みやすかったですよ。
私の場合、読後に印象に残ってるところが世間の方とはまるっきり違うようです。
みなさん大審問官がすごいとかそういうとこでいろいろ感想を書かれていますが、私が印象に残ってるのは、人々の生活とか、風習とか、そのへんの描写です。
アリョーシャがとにかく行く先々で手紙をもらってあちこちの家を行ったり来たりしてるのがなんか源氏物語みたいだなーと思ったり、おそらく知能的に障害を持っていてぼろぼろの姿で外をうろうろしてるスメルジャーシチャヤっていう女の人が、「神がかり」と呼ばれていて、それほど嫌われてたりするわけではなかったっぽいこととか、人がすぐ気が狂うのは本当にそういう病気なのか文化背景の問題なのか小説だから誇張してるのか、ゾシマ長老の腐臭の話でやっぱし昔は今以上にそういう迷信とかに振り回されてたんだろうなーとか、ホフラコーワ夫人とかそういうええとこの家は何も仕事もしないで生活できるとか一体どうなってるんだろうとか、仕事という意味ではお百姓さんもしくは軍人とか公務員的な人しか出てこなくて、どうやって経済回ってるんだろうってのが不思議だったりとか。あと、本がすごい貴重だったみたいですね。どの本を読んだか読んでないかってのがステータスになってるのが興味深かった。裁判が劇場型でものすごく感情的で、あれは大丈夫なんかな……いや大丈夫じゃないですよねあれ。裁判員制度が心配です。
登場人物では、ドミートリーはあまり好きではないです。アリョーシャは想像では色が真っ白でほっぺが赤くてかわいい。イワンはたぶんかっこいいのでイワンがいちばん好きかな。病気になってしまって残念です。最初のほうでカテリーナを騙してたグルーシェニカは気持ちいいぐらい悪女でよかった。最後のほうはなんか人が変わってしまって残念でしたw 主に女性陣は何が言いたいのか分からん話をだらだらしゃべってうざいですね。

本の内容以外では、5巻なんて最初ちょこっとだけが本編で、あとの残りほとんどで訳者の人がカラマーゾフ論、ドストエフスキー論を展開してて、これは熱すぎてちょっとわろた。内容はなんとなくトンデモ風味も感じるんだけど、なんていうか、やっぱし何かが好きすぎるパワーってすごいなーと思ったよ。これってフィギュア好きとか鉄道好きとかの人とかとなんら変わるところはなくて、方向によっては大学の学長になったりもするんだよなぁーwと、オタク好きの私はそんなとこに感心しました。


というわけで、私の中で、「ネットの人が言ってるおもしろかった本ランキングの上位を読んでみようキャンペーン」実施中なので、今は綾辻行人さんの「十角館の殺人」を読んでます。カラマーゾフの兄弟読んだ後だからか、なんかやたら短く感じられます。